凸版印刷は,米南カリフォルニア大学より,高精度の顔計測が可能な装置「ライトステージ」を導入,顔計測データを始めとした,さまざまな人体情報データ活用に関する研究/用途開発を推進する「トッパンバーチャルヒューマンラボ」を設立した(ニュースリリース)。
さまざまな製品やサービスに対してパーソナライズのニーズが高まる中,個人の体/健康に関する情報をビジネスに活用しようという動きが高まっている。しかし,ユーザーにはサービスごとに人体の計測/情報の登録作業が発生してしまい,煩雑さが人体情報活用の妨げになっている。
そこで同社は,個人の人体情報を一括で登録できるプラットフォーム「人体情報プラットフォーム」の構築を推進。登録された人体計測データを用いて高精細な採寸や肌質,また健康状態など色々な形の情報に加工し,自分の人体情報をさまざまなサービスに活用することが可能となるという。
「人体情報プラットフォーム」構築に向けた第一弾の取り組みとして,顔の色味や形,肌の質感を高精度に計測できる「ライトステージ」を導入。これは,球状のドーム内に配置された多数の光源装置をコントロールしながら顔を計測することで,形状だけでなく,顔全体の質感までも高精細に計測できる装置。
同時に同社は「ライトステージ」の計測データを簡単にWebブラウザ上で閲覧できるビューワを独自開発。「ライトステージ」による顔計測で得た情報を活用した多岐にわたる新事業の創出を推進する。
さらに,顔計測以外にもさまざまな人体情報に関する研究/用途開発を推進する「トッパンバーチャルヒューマンラボ」を設立。ここでは,人体に関する情報の計測から,計測結果を用いた3DCG/映像などのコンテンツ制作までを一気通貫で行なえる。これにより,「ライトステージ」で計測した顔画像を始めとした,企業による人体に関する情報を用いた事業開発を支援する「人体情報プラットフォーム」の構築を目指す。
同社は「人体情報プラットフォーム」の構築に向けて,人体に関するさまざま計測機能を拡充させていく。また,従来「ライトステージ」活用のメインフィールドだった映画産業以外の化粧品/アパレル/広告/スポーツ/ヘルスケアなどのさまざまな領域に向けて,事業展開を進めるとしている。