東北大ら,ヒト皮膚組織内のメラニン色素を可視化

東北大学はとコーセーは,世界で初めて,シミの原因となるメラニン色素そのものをヒト皮膚組織内において,三次元的に蛍光で可視化することに成功した(ニュースリリース)。

人間の肌は紫外線を受けるとメラニン色素を生成し,紫外線から身体を保護している。しかし,メラニン色素が過剰に蓄積するとシミとなって肌表面に現れる。そのため,シミに対する有効な美白アプローチを開発するためにはメラニン色素の所在を可視化することが重要となる。

しかし,これまでヒト皮膚組織内のメラノサイト(色素細胞)及びケラチノサイト(表皮細胞)の双方に存在するメラニン色素そのものを蛍光で可視化することはできていなかった。

開発にあたっては,M-INK(エム インク,Melanocore Interacting Kif1c-tail)という東北大学が開発した蛍光可視化試薬からスタートした。これは,メラニン色素を直接標識することが可能で,これまでにメラノサイト中のメラニン色素を可視化できることが実証されてきた。

今回,研究グループは,このM-INKにHemagglutinin(HA)タグをつけた「HA-M-INK」を開発,ヒト皮膚組織内のメラノサイトとケラチノサイトの両方に存在するメラニン色素そのものを蛍光観察することに成功した。このHA-M-INKを用いて,フランスにて様々なスキンフォトタイプの皮膚を解析したところ,肌の明るさに応じてメラニン色素の量や分布が大きく異なることを実証した。

さらに,HA-M-INKを,皮膚組織内を立体的に観察可能な共焦点レーザー顕微鏡と併用することにより,皮膚内部におけるメラニン色素を広範囲かつ3次元的に解析することができるようになった。

この技術により,これまで難しかった肌内部のメラニン色素そのものを直接蛍光観察できるようになった。今後,この技術を用いてシミ・色ムラ部位でのメラニン色素分布の解析をすることで,ケラチノサイト(表皮細胞)に過剰に蓄積されたメラニン色素に有効な成分の開発や,肌色の異なる人のシミ・色ムラに対応した美
白アプローチの開発などに繋げていくとしている。

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