パイオニアスマートセンシングイノベーションズは,3D-LiDAR「1st Model」の近距離タイプ(Short Range)の量産を開始した(ニュースリリース)。
長年にわたりパイオニアが培ってきた光ディスクプレーヤーなどのレーザー関連技術やカーナビゲーションをはじめとする車載製品の開発・製造ノウハウと,キヤノンが保有する光学レンズ技術を融合し,高性能かつコンパクトサイズを実現したという。
1つのレーザーダイオードと1つの受光素子で構成するMEMSミラー方式と同軸光学系方式の採用により,部品点数を削減し,小型化(775cc)を実現。2021年1月に量産開始を予定している中距離タイプの3D-LiDAR(Medium Range)との組み合わせにより,多様なニーズに対応することが可能だとする。
また,MEMSミラーを用いたラスタースキャン方式の採用により,スキャニング範囲を高速で隙間なく,高い解像度で検知し,高密度・高精細な点群データを取得することが可能。自動運転バスや中低速モビリティにおいて,前方および死角の歩行者,自転車などを高精度に検知できるほか,道路の固定設備やセキュリティモニタリング用のセンサーとして,プライバシーに配慮しつつ障害物や異物,侵入者などを高い精度で検出するとしている。
さらに,ハードウェア(3D-LiDAR)とともに開発しているノイズ除去,物体検知・認識・トラッキングなどのソフトウェアと組み合わせて処理することにより,反射強度の弱い物体の検知・認識に加え,雨天時や降雪時などの環境においても高精度な検知・認識が可能。
パイオニアの国内開発・生産拠点において生産,品質管理を一貫して行ない,車載向けの厳しい品質要件をクリアすることで,高品質とともに,安定した商品供給および商品サポートを実現しているという。