大日本印刷は,スマートフォンやタブレット端末,パソコン等の有機ELディスプレーを斜めから見た際に,画面が青みがかって見える現象(ブルーシフト)を改善する「ブルーシフト改善フィルム」を開発した(ニュースリリース)。
近年,スマートフォンやタブレット端末,パソコンやテレビ,デジタルサイネージ(電子看板)などで有機ELパネルの採用が拡がっている。また今後は,折りたたみが可能なフォルダブルスマホやカーナビゲーション・バックミラーなどの車載用に有機ELパネルの使用が拡がることで,ディスプレーを斜めから見るケースが増えるという。
有機ELパネルは,コントラストが高く応答速度が速いという利点があるが,斜めから見ることで色が変化し青みを帯びるという課題があった。こうした課題の解決に向けて同社は,長年培ってきた微細賦型技術を活かし,端末をどの角度から見ても青みを帯びることがないこのフィルムを開発。このフィルムをディスプレーに内蔵することで,有機ELパネルの構造を高度に調整する必要がなくなるため,低コストでパネルを斜めから見た時の青みを改善できるとしている。
同社はこのフィルムを主にパネルメーカー等に提供し,2023年度で年間30億円の売上を目指すという。