DNP,有機ELパネルの青み改善フィルムを開発

大日本印刷は,スマートフォンやタブレット端末,パソコン等の有機ELディスプレーを斜めから見た際に,画面が青みがかって見える現象(ブルーシフト)を改善する「ブルーシフト改善フィルム」を開発した(ニュースリリース)。

近年,スマートフォンやタブレット端末,パソコンやテレビ,デジタルサイネージ(電子看板)などで有機ELパネルの採用が拡がっている。また今後は,折りたたみが可能なフォルダブルスマホやカーナビゲーション・バックミラーなどの車載用に有機ELパネルの使用が拡がることで,ディスプレーを斜めから見るケースが増えるという。

有機ELパネルは,コントラストが高く応答速度が速いという利点があるが,斜めから見ることで色が変化し青みを帯びるという課題があった。こうした課題の解決に向けて同社は,長年培ってきた微細賦型技術を活かし,端末をどの角度から見ても青みを帯びることがないこのフィルムを開発。このフィルムをディスプレーに内蔵することで,有機ELパネルの構造を高度に調整する必要がなくなるため,低コストでパネルを斜めから見た時の青みを改善できるとしている。

同社はこのフィルムを主にパネルメーカー等に提供し,2023年度で年間30億円の売上を目指すという。

その他関連ニュース

  • Kyuluxと日本曹達,有機EL材料量産に向け資本提携
    Kyuluxと日本曹達,有機EL材料量産に向け資本提携 2024年11月20日
  • 富山大,最小電圧駆動有機ELの駆動機構の一部を解明 2024年11月01日
  • 東工大,分子の自発配向を利用した分極薄膜を開発 2024年10月31日
  • 2024年の車載ディスプレー出荷量,前年比5.9%増 2024年10月01日
  • ソニーら,eスポーツ用高速表示有機ELモニター発売 2024年09月30日
  • ソニー,業界最小のOLEDマイクロディスプレー開発 2024年09月24日
  • 東陽テクニカら,有機EL素子の超低輝度検査技術開発 2024年09月12日
  • 住友化学子会社,ガラス透明LEDディスプレー実用化 2024年09月09日