amsジャパンと,独Ibeo Automotive Systems GmbHは,Ibeoが新規開発したソリッドステートLiDAR「ibeoNEXT」に,amsの垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)テクノロジーが中核技術として使用されると発表した(ams HP)。
両社は,先進運転支援システム(ADAS)へソリッドステートLiDARを導入し,いずれは自動運転へ実装する目的で,2018年にLiDARの共同開発を開始している。
amsのVCSELアレイは業界最高の電力密度,変換効率,ピッチを誇り,専門設計されたVCSEL製造技術を通じて,ピクセルの数や寸法とピッチ,アドレス指定可能パターンなどで柔軟にレイアウトを設計でき,さらに,エミッター,電流ドライバー,光学部品を共同開発することもできる。
同社のハイパワーVCSELは,エミッター個々の不具合の影響を受けにくいため,スキャンやフラッシュのアプリケーションで差別化を図ることができるとともに,広範な温度範囲で安定して動作し統合も容易だとする。
Ibeoの主力製品,「ibeoNEXT」は中国長城汽車製の自動車に採用され,高速道路でレベル3の半自動運転を実現する。この製品はソリッドステートで,クラス最高の広範な検出範囲,高解像度,大きな垂直角度を特長とする。
今日のLiDARシステムは,多数のレーザーパルスを同時並行で処理できる。結果として,ガードレールや路上の標識のみならず,車両,自転車,歩行者の位置や動きを認識した周囲環境の3Dモデルが生成される。長距離に対応し高い空間解像度を保つことに加え,高精度であることがLiDARテクノロジーで大きな利点となる。
また,ソリッドステートLiDARは機械式やMEMSミラーなど,可動式のビームステアリング機構を持たず,信頼性とシンプルさの面で大きなメリットをもたらすとしている。