ドイツの総合化学会社BASFの子会社であるtrinamiX GmbH(トライナミクス)は,日本市場に向けた赤外線センサー事業の技術サポート体制と販売ネットワークを強化する一環として,アイ・アール・システムと赤外線センサーの販売代理店契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。
この契約は,trinamiXが開発・製造する赤外線センサー「Hertzstück」(ヘルツシュテュック)を,アイ・アール・システムが日本市場に向けて販売するもの。相互の営業活動を制限しない非独占的な販売代理店の形態とすることで,相互の自由な営業活動による相乗効果を狙う。
なお,trinamiX製赤外線センサー事業については,BASFジャパンにて日本での事業拡大を目指しており,すでに日本の顧客に商品供給を開始しているという。
trinamiXの赤外線センサーは,PbS/PbSe(硫化鉛/セレン化鉛)光導電素子で,波長1~5μmの近赤外線(NIR)の検出が可能。独自の薄膜封止技術により,使用環境中の水分や酸素による品質劣化を極限まで低減する。また,この薄膜封止技術によりベアチップ状態での商品供給も可能となり,センサー素子の大幅な薄型化に加え,電子プリント基板(PCB)への表面実装が可能。
この赤外線センサーは応用として,赤外分光器,ガスセンシング,炎・火花検出,火炎制御,医療機器,およびIoTセンサーシステムなどの様々な産業領域や用途が想定されている。