凸版印刷,ロボット・AI開発のイクシス,建材開発・販売のケー・エフ・シーは,ディープラーニングによるAI画像解析技術を活用し,ガードレール支柱の腐食部分を検出する「ガードレール支柱腐食点検システム」を開発した(ニュースリリース)。
道路の安全性維持管理において,舗装路や道路付帯設備は交通規制をかけて詳細点検および補修を行なっている。技術者の目視による点検は作業時間がかかり,交通規制を行なう作業員が必要で,コスト面での大きな課題があった。
今回3社は,AI画像解析技術を用いて,パトロールカーに搭載したカメラでガードレールの支柱を動画で撮影し,腐食部分を点検することができる「ガードレール支柱腐食点検システム」を共同開発した。
車両にカメラを搭載し,高速(80km~100km/時)で走行しながらガードレールの支柱を撮影することで,交通規制をかけることなく点検することができ,多くの人員を集める必要がなく人手を最低限に留めて大幅なコスト削減に貢献するという。
また,ディープラーニングによるAIを活用した支柱の欠陥検出や検出精度の向上により,補修の要・不要を定量的に自動判定することが可能。このシステムを継続的に利用することで,インフラの経年劣化の自動検出にも展開が見込める。
このシステムの導入により,交通規制や作業員による実点検をすることなく,効率的かつ定量的に腐食部位の特定および判定が可能になるとする。多くの人員を集める必要がなく人手を最低限に留めることができるため,新型コロナウイルスの感染対策としても有益だとする。
今後,3社はこのシステムおよび技術のさらなる向上に取り組み,高速道路から道路全般,鉄道,構造物などへ用途拡大を図り,このシステムを社会インフラおよび産業インフラ全般に広げていきく。また,点検結果のデータ管理・修繕管理から予測傾向管理を可能とする技術についても開発を進め,インフラ老朽化,熟練技術者不足などの社会問題の解消に取り組んでいくとしている。