OIST,行動するマウスのニューロンを観察


沖縄科学技術大学院大学(OIST)は,二光子イメージングを用い,覚醒状態で行動するマウスの視覚皮質第6層のニューロンを始めて観察した(ニュースリリース)。

集中力の持続時間は多くの異なる脳構造が調節している。そしてそのうちの1つは,皮質の最深層にあたる第6層にある。ここは皮質はヒトや他の哺乳類の脳の一番外側にあり,機能的に特化し,高度に相互接続した感覚野や運動野,そして関係する部位から構成されている。

ニューロンとは,体内において他の神経細胞や筋肉に情報を伝達する特殊な細胞。脳内ではネットワークを形成し,電気化学的な信号を介して互いに通信している。ニューロンの重要性を鑑みると,脳の働きを理解するためには,ニューロンの活動をより深く知ることが必要となる。

研究グループは,各実験において,マウスに定期的に異なる種類の視覚刺激を与えた。この間マウスは,自由に動いたり,眠ったりすることもできる。このマウスの脳の深部において,何時間もの動画を細胞レベルの分解能で撮影した。

その結果,多くのニューロンは運動状態と静止状態を区別しなかった一方で,その他の少数のニューロンは状態を区別することを発見した。これは,第6層のニューロンはお互いを補完しあい,起こっている事象を調節しているとが考えられるという。

例えば,視覚情報の流れがある場合,あるニューロンは皮質外の脳の他の部分に情報を送信する。しかし暗闇の中であれば,皮質下の領域は皮質で何が起こっているかを知る必要があるため,別のニューロンが引き継ぐ。第6層のニューロンの活性は,感覚器官から皮質への情報の流れを調節し,それにより,注意を払うか,又は集中しなくなるか,という選択肢の重要な要因の一つとなるという。

この回路がどのようにヒトの注意力の持続時間や,注意欠陥,自閉症,統合失調症などの様々な障害に関与しているのかを正確に解明するため,第6層については現在も多くの研究が行なわれている。

もしヒトの頭の中で何が起こっているのかを理解したいのであれば,覚醒して行動している被験動物を対象に研究しなければならなず,そのような方法で第6層が調査されたのは,今回が世界で初めてだとしている。

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