古河電気工業は,世界最高水準のコア密度(10.5コア/mm2)を有する細径超多心6912心光ファイバーケーブルについて,既設のデータセンターで広く使用されている内径1.25インチ(約32mm)の小径ダクトへの敷設に成功した(ニュースリリース)。
データトラフィックの急激な増大に伴い,データセンターでは従来以上に光ファイバーネットワークの大容量化が即座に求められている。例えば従来型864心光ファイバケーブルから最新の6912心光ファイバケーブルに置き換えることで通信容量を8倍に拡大できる。
しかし,ケーブルを通すダクトの外径制限によっては,ダクト設備全体を置き換える大掛かりな土木工事が必要となる場合があり,改修費と工期の負担が大きいという課題があった。
今回,既設のデータセンタで広く使用されている内径1.25インチ(約32mm)のダクト200m(90度カーブ3ヶ所)に外径29mmの同社製6912心光ケーブル(通常推奨ダクトサイズ:内径1.5インチ)を最大張力38kgfで挿通できることを確認した。実際に北米のデータセンターにおいて最大長430mの敷設に成功したという。
従来の業界標準では厳しいとされていた環境だったが,顧客と合意の上で新たな治具や作業手順のもと,劣化や損傷のないダクトへの挿通を実現した。同社では今後,専用の治具や工法のトレーニングもあわせてデータセンター工事事業者に提供していくとしている。