カネカは,同社が開発した結晶シリコン太陽電池(ヘテロ接合バックコンタクト型)が,トヨタ自動車の低速自動運転EV「e-Palette」のルーフガラス部分に採用されたと発表した(ニュースリリース)。
この製品は,同社の世界最高の変換効率(結晶シリコン太陽電池として世界最高の変換効率26.7%を達成)を誇る結晶シリコン太陽電池技術を用いており,また表面に配線のないバックコンタクト構造によって,自動車用ガラスに近い意匠性を実現した。今回,こうした高い変換効率と意匠性が評価されて採用に至った。
ヘテロ接合バックコンタクト型とは,ヘテロ接合技術とバックコンタクト技術を組み合せた結晶シリコン太陽電池。結晶シリコンとアモルファスシリコンの組み合せによる欠陥低減や,電気に変換できる光の波長が異なる材料を組み合せることで変換効率を向上させることができる。
バックコンタクト技術は太陽電池の裏側にのみ電極をつくり電気を取り出す技術で,電極を裏面に集約することで,受光面を広くできるため,変換効率を高めつつ,意匠性も向上させることができる。
この太陽電池は曲面状に設計することができ,自動車ボディへの設置が可能となったという。