ニデック,眼科領域で国内初の再生医療等製品発売

著者: sugi

ニデックは,角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした自家培養角膜上皮「ネピック」を発売する(ニュースリリース)。

眼球の表面は角膜と結膜からなり,角膜は透明で血管がなく,層構造をしている。その最も外側にある角膜上皮は,角膜上皮細胞からなり,外界から細菌や化学物質の侵入を防ぎ,角膜内層を保護する役割を持っている。

角膜と結膜の境界である角膜輪部には角膜上皮幹細胞が存在し,角膜上皮細胞を供給するとともに結膜上皮細胞の侵入を防ぎ,角膜上皮の透明性を維持する重要な役割を担っている。

角膜上皮幹細胞疲弊症とは,この角膜上皮幹細胞が,先天的または外的要因等によって消失することで発症する疾患。角膜の透明性が失われ,視力の低下や眼痛などの臨床症状が見られる。

この製品は,患者自身の角膜輪部組織(角膜と結膜の境界にあり,角膜上皮細胞の幹細胞が存在する部分)から分離した角膜上皮幹細胞をシート状に培養したもので,眼科領域では国内初の再生医療等製品となる。この品を移植することにより,角膜上皮を再建させることを目的とするもの。

従来の角膜上皮幹細胞疲弊症の治療法では,ドナー眼を用いた角膜移植術が実施されているが,拒絶反応が起こるなど有効な治療法がなかった。この製品は角膜ドナーが不要で,患者自身の組織を移植するため,拒絶反応もないことが特長。同社ではこの製品が,角膜上皮幹細胞疲弊症の治療法の新たな選択肢になるとしている。

キーワード:

関連記事

  • OIST,錐体細胞が規則的なパターンを作る機序を解明

    沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究グループは,ゼブラフィッシュの網膜内の色を感知する細胞において,Dscambと呼ばれるタンパク質が “自分の仲間を避ける自己回避” をすることで,細胞同士が最適な間隔を保ち,最適な…

    2025.03.27
  • FBRIら,X線照射を造血幹細胞の再生医療に応用

    神戸医療産業都市推進機構(FBRI),日本赤十字社近畿ブロック血液センター,淀川キリスト教病院は,X線照射することで生着・分化する能力を除去した他者の臍帯血造血幹細胞も,X線照射していない自己の幹細胞と同様に,損傷した血…

    2024.06.11
  • 豊技大,視覚的な光沢感と瞳孔反応の関係を解明

    豊橋技術科学大学の研究グループは,視覚的な光沢感と瞳孔反応の関係を明らかにした(ニュースリリース)。 人間の目に入ってくる光量を調節する器官である“瞳孔”は,物理的に明るいものを見ているときに小さくなり(縮瞳),暗いもの…

    2024.04.18
  • NIIら,眼底画像から性別を推定するAIを開発

    国立情報学研究所(NII)と日本眼科学会は,日本医療研究開発機構(AMED)の支援により構築された学会主導データベース「JOIR」で収集された画像データを用いて,眼底画像から個人の性別を推定するAIを開発し,無償公開を開…

    2023.12.07
  • 立命大ら,シナプス情報伝達に新規情報処理機構発見

    立命館大学と米ノースウェスタン大学は,網膜に存在する新しいシナプス機構を発見し,視力に影響を与える疾患や症状に対する標的治療薬の開発を促進する可能性があると発表した(ニュースリリース)。 錐体視細胞からの神経伝達物質の放…

    2023.06.26
  • 名市大,特殊な照明光で眼のコントラストを改善

    名市大,特殊な照明光で眼のコントラストを改善

    名古屋市立大学,台湾大学,鹿児島大学は,特殊な照明光を用いることによって視力(コントラスト感度)を改善することが可能であることを発見した(ニュースリリース)。 眼球の網膜には,明るいところで色を識別する錐体細胞,暗いとこ…

    2023.06.21
  • 九大ら,眼内内視鏡・眼内照明保持ロボットを開発

    九州大学,東京工業大学,順天堂大学,山口大学,リバーフィールドは,開発した眼内内視鏡・眼内照明保持ロボット「OQrimo(オクリモ)」の製品化に成功し,リバーフィールドによる医薬品医療機器総合機構(PMDA)への一般医療…

    2023.04.18
  • 鳥取大,瞳孔インターフェースの新方式を提案

    鳥取大学の研究グループは,対光反射現象を利用した意思伝達システムにおいて,左右の目に投影する刺激を異なるものとすることで一度に提示可能な刺激パターンを増加させる新方式を提案した(ニュースリリース)。 脳と機械をつなぐ技術…

    2023.01.10

新着ニュース

人気記事

新着記事

  • オプトキャリア