フジクラの熱中症IoT,色素増感太陽電池を採用

フジクラは,熱中症予防のために活用される暑さ指数(WBGT)を,自社開発の色素増感太陽電池を搭載した,電源線・通信線が不要な完全配線レスのセンサノードで計測し,その「みえる化」や警報の発報を行なう熱中症予防IoTソリューションの提供を開始した(ニュースリリース)。

熱中症発症リスクの大小は環境に大きく依存する。例えば学校や工事現場,介護施設内といったとりわけ注意を要する場所にあっても,それぞれで環境は大きく異なるため,個々の場所に応じたきめ細やかな実測による暑さ指数の把握が,熱中症の未然防止の観点で重要となる。

同社は,この課題を解決するために黒球付き暑さ指数センサノードを開発し,暑さ指数を「みえる化」するとともに,その監視を行ない,計測値が閾値を超え熱中症発症のリスクが高まった際にアラームを発して周知する熱中症予防IoTソリューションを開発した。

開発したセンサノードは,自社開発の色素増感太陽電池(DSSC)を搭載し,一定の照度があれば自立電源駆動が可能。且つデータ伝送は920MHz帯の無線通信で行なうため,電源配線や通信配線工事が要らず簡単に設置できる。これにより短い工期で設置が可能なために導入コストを低く抑えられ,電池交換に要するメンテナンスコストも大幅に圧縮が可能。

また,輻射熱を測定する黒球温度センサの搭載により,正確なWBGT測定(JIS B 7922 クラス2準拠)を実現。この黒球温度センサはセンサノードと一体化することで,設置時の煩雑さを低減しただけでなく,導入費用のさらなる削減も可能にした。

データ伝送には,障害物回避性能が高いマルチホップ通信モデルと数百m~10kmの長距離通信が可能なLoRaWANTM通信モデルを用意し,設置環境に最適な無線方式を選ぶことができる。

同時に,熱中症予防に有効な「みえる化」クラウドアプリケーションの提供も開始した。インターネットを介して,センサノードを設置している複数拠点からの現在及び過去の暑さ指数データを,管理端末画面上でいつでもどこでも閲覧でき,暑さ指数が設定した閾値を超えると,管理端末画面の表示色の変化・警報音・メールによるアラーム発報をタイムリーに行なう。

同社は,熱中症予防IoTソリューションとして,ハードウエアからクラウドサービスまでをトータルで提供することで,熱中症の未然防止に貢献するといている。

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