キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は,独LuxFluxのハイパースペクトルカメラ「hsi SMART-1D-VIS」の販売を2020年6月上旬から開始する(ニュースリリース)。価格はオープンプライス。
近年,製造ラインにおける製品検査では高い技術が要求され,特に対象物が繊細で緻密な調剤や食品加工,半導体製造においては製造途中の品質管理に多くの課題を抱えている。
同社はこの課題を解決するために,昨年末LuxFlux製ハイパースペクトルデータ処理ソフトウェア「fluxTrainer」を販売開始した。一般的な用途である不良部の選別,あるいは混入異物などの「分類」に加え,薄膜の厚さや薬や食品など対象の成分量を「測定」できるという特長を生かして,製品検査の速度と精度を向上することができる。
今回,同ソフトウェアを多くの顧客に利用してもらうため,開発環境「fluxTrainer」をバンドルしたハイパースペクトルカメラ「hsi SMART-1D-VIS」の販売を開始する。この製品は,豊富なサンプリング画素数を持つ産業用途の小型軽量カメラで,高速かつ汎用的なUSB3.0インターフェースを採用し,レンズはフレキシブルなC-mount対応でレンズ交換が可能となる。
これまでハイパースペクトルイメージング技術は多数の波長を利用できるため,従来のRGBカラーカメラで撮影するより多くの情報を取得できることで,さまざまな分析や研究用途に用いられてきた。そのため,日本のハイパースペクトルカメラ市場は大学・研究開発向けが中心だったが,今後は産業向け市場において世界を上回る年間20%以上の伸びが予測されている。
こうした背景を踏まえて,同社は生産現場から絶えず送出される膨大なデータをインラインで処理するLuxFluxのソフトウェアを軸に,ハイパースペクトルイメージングによる課題解決を積極的に行なっていく。
また,先進的かつ実績あるマシンビジョンシステム製品をフル活用して,付加価値の高い最先端技術を用いたソリューションを提供し続けることで,顧客のビジネスの発展に貢献していくとしている。この製品の概要は以下の通り。この製品は,ハイパースペクトルカメラと付属の開発環境「fluxTrainer」で構成されている。
サイズ:100x70x70mm
重量:450g
波長帯:400-950nm
バンド数:>200
サンプリング画素数:1,280pix
フレームレート:300fps
レンズマウント:C-mount
SN比:45dB
インターフェース:USB3