エドモンド・オプティクスは,世界中の5つの製造拠点を用いて,サーマルイメージングや他の赤外アプリケーションに向けた標準及び特注赤外用部品をラインナップしている(製品紹介ページ)
発熱は,COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の最も一般的な初期症状の一つ。ウイルスが拡散するリスクを最小限に抑えながら体温上昇を正確に検出することは,この世界的な健康危機と闘うために大変重要になる。オプティクスは,従来の体温計による接触式体温測定法を不要にし,精度の高いさまざまな体温検出技術を可能にする。
体温の上昇はさまざまな要因により引き起こされ,またすべてのCOVID-19感染者に発熱症状が現れるわけではないので,発熱そのものがCOVID-19への感染を示すわけではない。しかし,体温の上昇を認識することで,より特定のウイルス検査を行なう必要のある個人を識別する。
物体の温度は,放射率が判明している場合,その物体が放射する赤外線エネルギーの量によって決定することができる。人体から放射される赤外線のピーク波長は通常9µm前後。体温の変化により放射される赤外線も変化するため,サーマルイメージングシステムは対象者の体温が平熱の範囲内かどうかを識別することができる。
非接触式体温計には,安価な携帯型機器から,広い区域において大勢の人々を分析できる広域スキャナーまで,さまざまな種類がある。携帯型機器は簡単に使用でき,一時に一人ずつ検温するのに便利だが,広域スキャナーは拡張性が高く,空港,病院,人口密集区域でのスクリーニングに効果的となる。
非接触式体温測定は,対象者との距離や周囲温度が正確な測定に影響を与える可能性があるが,接触式体温計に比べて感染するリスクは低いため,伝染性のパンデミックに対処するのにより適している。
赤外線熱検出システムには,ゲルマニウム,ジンクセレン,その他9µm前後の波長を透過できる材料で作られた光学部品が必要になる。安価な携帯型非接触体温計の多くがモールド成型のゲルマニウムオプティクスを使用しているのに対し,広域温度スキャナーは,より高精度な赤外用部品を通常必要とする。
同社はこれらの製品を競争力ある価格で提供するという。ラインナップには,ウインドウ,非球面レンズ,プリズム,非軸放物面ミラー,レーザー及びイメージング用アッセンブリ品が含まれるとしている。