大阪府立大学は,新型コロナウイルス(COVID-19)に関して速やかな研究開発が必要な状況にある中,近い将来において社会実装可能と考えられる4つの取り組みを紹介した(ニュースリリース)。
これらのうち,光技術が関連するものは「滅菌灯によるマスクのウイルス不活化処理機「マスクリーン4」の開発」および「パーソナルディフェンス空気清浄機「コロナクリーナーF」の開発」の2つ。
前者は,殺菌灯からのUV-C紫外線によりマスクなどに付着したウイルスを不活化・滅菌,消臭するもの。立体形状のマスク表面での紫外線量を放射線計測技術を応用して評価することで,サージカルマスクのウイルス不活化処理が約20秒で完了することを確認した。
また,個人用のマスクリーンSでは5秒で処理が可能で,頻繁にマスクを浄化することで感染率の低下に貢献でき,マスクの再利用も可能だとする。
後者は,可視光応答光触媒と可視光LEDを組み合わせたパーソナルディフェンス空気清浄機。光触媒に光を当てて風を送る,という機能にのみ特化した安価かつ高性能な製品となっている。
空気中のエアロゾルに含まれるウイルスの不活化だけでなく,悪臭や花粉などの分解が可能。飛沫・エアロゾルが舞うが換気ができない医療現場などでの感染リスクの低下に貢献するとしている。
ここでは上記の他に,「オゾン殺菌式ガス浄化装置の開発」と「実践からの遠隔授業(アクティブラーニング)の知見」についても紹介している。