ショット,折りたたみ可能な超薄ガラスを発表

独ショットは,折りたたみ式ディスプレーおよび折りたたみ式スマートフォン向けの最も柔軟な超薄ガラス「Xensation Flex」を発表した(ニュースリリース)。

この製品は超薄板ガラス(UTG)であり,処理後には指で曲げられるほどに十分な柔軟性があり,大量生産で利用できる。UTGの強みは,業界で最も柔軟性のあるガラスを提供する。曲げ半径は2mm未満で,処理後の厚みは人の髪の毛よりも薄くなる。このフレキシブルカバーガラスは,同社の「Xensation」高性能ガラスのポートフォリオに追加される。

この製品はその卓越した柔軟性に加えて,化学的に強化することができる。これにより,柔軟で強力なディスプレーを必要とする折りたたみ式スマートフォンに適した素材になる。またこの製品の高い透明性は,ハイエンド製品ユーザーに向けたプレミアムオプションとなる。また,ラップトップ,タブレット,またはまったく新しい製品グループなど,これまでにないデバイスデザインへの道を開くものだという。

この製品は,いくつかのアプリケーション向けにカスタマイズされたさまざまなUTGの研究および製造における30年以上の経験に基づいており,同社は「ダウンドロー法」として知られるUTG製造プロセスを改良してきた。ダウンドロー法は,ガラスリボンが溶融炉から引き下げられ,さまざまなローラーで成形され,冷却トラックを通過する。希望の薄さのガラスを溶融物から直接引き出すことで,有害な酸エッチングを必要とせずに安定した薄さを実現する。

同社は現在,折りたたみ式スマートフォン「Galaxy Z Flip」を正式に市場投入した韓国Samsungに超薄ガラスを供給している。これは同社の技術と生産能力が他のガラスメーカーに比べて優位な立場にあることを意味し,今後も超薄型ガラス製品の改善と強化を継続していくとしている。

その他関連ニュース

  • 東大,ガラスとゲルのエージング現象の違いを解明 2024年04月16日
  • 理研ら,全塗布で3層構造の有機光電子デバイス集積 2024年04月11日
  • オハラ,光学ガラスがSLIMの航法カメラに採用 2024年01月23日
  • 中大ら,薄くて柔らかいシート型光センサを開発 2024年01月23日
  • NIMSら,プリント向け厚膜導電性インクを開発 2024年01月16日
  • 理研,超短パルスレーザーとエッチングで微細貫通穴作製 2024年01月12日
  • 中部大,10%まで伸ばせる反射防止膜材料を開発 2023年12月13日
  • 筑波大ら,圧力下でのガラス相転移機構を解明 2023年12月11日