エンプラスは,新型コロナウイルス感染症と戦うために不可欠なマスク等医療防護用品を再利用せざるを得ない状況が生じている中,これらの防護用品向けにも使用可能なUVC-LED(短波長紫外線)を用いた殺菌装置を開発した(ニュースリリース)。
医療現場および介護の現場等では,マスク等を洗浄するといった再利用も行なわれているが,結果として,マスクフィルターの破損や,マスク表面の毛羽立ちなどの問題がある。
そこで同社はUVC-LEDを用いた水殺菌技術を応用し,マスク等医療防護用品向けにも使用可能なウイルス殺菌装置を開発した。この製品は,UVC-LEDに,同社独自の光束制御技術を用いた拡散レンズを使用することで,コロナウイルスの一種であるSARSコロナウイルスを10分以内に99.8%不活性化させることが期待できるという。従来品と比較して,短時間でウイルスの不活性化および殺菌を行なうことができる。
4月下旬より訪問診療を行なっている診療所の往診車に試作機を搭載し,性能確認を進めている。特に訪問先での移動時間を利用して車内で処理を行なうことでマスク等が感染源となるリスクが減ることが期待されているという。
同社では今後,多様なウイルスや菌に対して,どのような機能を持つか実証データを蓄積しながら商品化を進めていくとしている。