日亜化学工業(日亜)は,欧州最大の応用研究機関である独フラウンホーファー研究機構の建築物理研究所の調査により,自然な光を再現したフルスペクトル白色LED「Optisolis」が視覚的,知覚的に有用であることが確認されたことを発表した(ニュースリリース)。
この調査は,同研究所の高性能屋内環境ラボにおいて,83名の被験者を対象に,フルスペクトル白色LEDを使用した照明と,演色性指数80程度の従来型白色LEDを使用した照明とを,視覚的快適性,被照射物の見え方の自然さ,集中力,まぶしさ,眠気,注意力,光沢などの観点について比較することにより実施された。
その結果,フルスペクトル白色LED照明は,従来型の白色LED照明に比べて,視覚的快適性と自然感(色,状態,質感)の両面で有用であることが示された。フラウンホーファー研究機構の研究者らによると,フルスペクトル白色LEDの優れた色再現性が,これらの有用性をもたらしたと結論付けている。
日亜が開発したフルスペクトル白色LED「Optisolis」は,太陽光のスペクトルを忠実に再現した自然な光を提供しつつも,紫外線が含まれないため,貴重な展示物等を劣化させる可能性が極めて低い光源。
今回の調査により,「Optisolis」の光は,小売店ほか,美術館,宝石店などに適した光源であるとともに,人間の心身に寄与する要素を含有していることが科学的に示された。(研究結果の詳細報告については,今後数週間以内に同研究機構から改めて公開される予定という)
同社は今後も,知覚,行動,健康にかかる,フルスペクトル白色LEDの効用を実証する研究へ協力を続けるとしている。