米コヒレントは,2020年4月,フィンランドのTampere(タンペレ)拠点における同社のファイバーレーザー事業を拡張し,同事業の中核的製造・開発拠点「Center of Excellence for Fiber Lasers」を設立する(ニュースリリース)。
ファイバーレーザー自体はこの拠点にて2003年より製造を行なっているが,より効率的な生産体制を確立するために,ファイバーレーザーの製造・加工テストと,コンポーネント,レーザーエンジン,コンバイナーの製造を同じサイト内で行なう予定だという。
同社の産業用高出力ファイバーレーザー「HighLight」シリーズは,すべてこの「Center of Excellence for Fiber Lasers」にて製造される予定。このシリーズは,出力1,000W~10,000Wで,複数のビーム品質モデル(シングルモード,マルチモード,モード可変)があり,様々な難しい溶接アプリケーションを実現可能にする。
同社は,例えば定格出力の1%~100%のフルレンジでの出力制御や,リングビームとセンタービームを独自に出力制御可能な二重ビームなど,新たな価値を生み出す次世代レーザーの開発に焦点を当てている。
「Center of Excellence for Fiber Lasers」では,5,000m2(53,000ft2)以上に及ぶフロアに,ファイバーレーザーの製造と加工テストのノウハウを集約し,また,重要な光学コンポーネントの製造向けのクリーンルームに1,000m2(10,000ft2)以上を確保する予定だという。
さらに,同社の各種ファイバーレーザーおよび溶接ヘッド,溶接結果を分析する最新のツールを備えたアプリケーションラボも設ける予定。この施設では,同社の既存のアプリケーションラボによるグローバルネットワークと連携し,ロケーションに関わらず,顧客の要件に対する信頼性の高い「プロセスレシピ」を迅速に提供することができる。
同社は,この拡張により高品質を保ちつつコストダウンを目指し,特に,すべての製造プロセスを一か所に集めることによって,サイクルタイムの減少と,品質管理の向上が期待できるとしている。