九州大ら,細胞に接着する導電性材料を開発

九州大学,国立台湾大学の研究グループは,PC基の逆構造であるコリンフォスフェート(CP)基を有する導電性高分子を初めて合成した(ニュースリリース)。

逆構造とは,PCとCPは正電荷を持つ4級アンモニウムイオンと負電荷をもつホスフェートイオンの位置が逆であり,負電荷から正電荷への方向ベクトルが逆の構造を持つ。

導電性高分子は電気が流れるプラスチックとして白川英樹博士らにより発見され,その功績によって2000年にノーベル賞を受賞している。近年,導電性高分子は従来の金属電極に比べ柔軟性が高く,合成手法によってナノレベルの分子設計が可能であることから,生体情報デバイスやバイオセンサーの電極として着目されている。

例えば,細胞膜を形成するリン脂質の構造として知られるホスファチジルコリン(PC)基を有する導電性高分子は,高い生体適合性を有する電極として,バイオセンサーとして利用可能な事が報告されている。

研究グループは,合成したPC基とCP基を有する導電性高分子の生体接着性(タンパク質や細胞などが生体材料に対して接着する性質)をタンパク質の1つであるウシ血清アルブミン(BSA)および細胞の1つであるNIH3T3の接着性から評価した。

その結果,BSAはPC基を有する電導性高分子とCP基を有する導電性高分子のどちらにも接着性は見られなかったが,NIH3T3はCP基を有する導電性高分子にのみ顕著な接着性が見られたという。

CP基とPC基の接着メカニズムを明らかにすることで,生物がなぜPC基を細胞膜に選んでいるのかといった謎の解明や,新規の生体情報デバイスの開発に役立つとしている。

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