群馬大,光学顕微鏡のμ秒合焦モジュール開発

群馬大学の研究グループは,市販の光学顕微鏡のフォーカス位置をμ秒で変更できる高速3次元カメラモジュールを開発した(ニュースリリース)。

光学顕微鏡はフォーカスがあう範囲が狭いため,フォーカス位置を変更しながら複数の画像を撮影すると対象の3次元的な構造が計測できるようになる。対象が止まっている場合は,ゆっくりとフォーカスを変更しながら画像を撮影しても画像間の位置関係がずれないので問題ない。

しかし,対象が運動している場合は,動きが止まって見えるくらい短い時間の中でフォーカス位置を変更しながら高速に画像を撮影する必要がある。遊泳する細胞や心臓の拍動のように高速な現象を観察したい場合は,1/1000秒やそれよりもさらに短い時間でフォーカス位置を変更する必要がある。しかし,一般に利用されている光学顕微鏡でこのように高速なフォーカス位置制御を実現する原理はなかった。

そこで研究グループでは,通常の光学顕微鏡で利用可能な,数μ秒でフォーカス位置を変更できる高速3次元カメラモジュールを開発した。このモジュールは約70kHz(1秒に7万回)で高速に焦点距離が振動する液体レンズと,レンズに同期して多重露光ができる特殊なカメラとで構成されている。

撮影したいフォーカス位置となるタイミングのみシャッターをあける動作を繰り返し行ない,単発の露光から得られるわずかな信号を内部で蓄積することで十分な明るさの画像を得ることができる特殊なカメラを開発し,実用的なカメラモジュールを実現した。

さらに,開発した高速3次元カメラモジュールを利用して遊泳する細胞(クラミドモナス)の位置を1秒間に1000回,3次元的に計測し,さらに対象が顕微鏡のフォーカス位置中央にくるように追いかけながら対象の動画像を計測することにも成功した。

この研究成果は,生命科学や医療分野における顕微鏡計測, 顕微鏡下手術補助,血液検査・不妊治療の高速高精度化や,製造技術,FA(Factory Automation),ロボット分野における製品の画像計測や検査の高速化・高精度化に応用できるとしている。

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