パナソニックは,4Kを超える高解像度で,世界で初めてHDR(ハイダイナミックレンジ)に対応した眼鏡型VR(仮想現実)グラスを開発した(ニュースリリース)。
第5世代移動通信方式(5G)商用サービスの本格化を控え,VRグラスを用いたスポーツ観戦や旅行の疑似体験など新たなサービス展開が期待されている。高画質・高音質なVRグラスは,没入感の高い疑似体験が可能になる一方,本体が大型化し,ヘッドバンドで頭部に固定する必要があるなど,装着感に課題がある。
今回,同社は,世界トップクラスのVRグラス向けデバイスメーカーである米Kopinと高性能な表示デバイスを共同開発した。さらに,テレビやブルーレイディスクプレーヤーなど映像機器の開発で培ってきた信号処理技術とテクニクスの音響技術,デジタルカメラLUMIXの光学技術を融合させることにより,映像に引きこまれるような臨場感あふれる仮想現実を良好な装着感で快適に体験できる,高画質・高音質かつ小型・軽量・眼鏡型のVRグラスを実現したという。
製品の主な特長は以下の通り。
(1)4K超/HDR対応の高画質
・Kopinとパナソニックが共同開発したマイクロ有機ELパネルを搭載。
・画素境界が網目のように見える「スクリーンドア効果」の発生を抑え,自然で滑らかな映像を実現。
(2)超低音から高音まで広帯域再生に対応する高音質
・磁性流体を用いたテクニクス独自のダイナミック型ドライバーを採用することで振動板の正確なストロークを可能とし,超低歪再生を実現。
(3)小型・軽量でヘッドバンドのいらない快適な装着感
・Kopin・米3M・パナソニックで新たに共同開発した光学モジュールを採用することで,歪みを抑えた自然な映像を超単焦点で表示。小型・軽量で眼鏡のような形状を実現。
今後,5G商用サービスの本格化に向け,さまざまな用途に応用できるよう開発を進め,新たな顧客価値の創出に取り組んでいくという。なお,2020年1月7日から10日まで,米ネバダ州ラスベガスにて開催される「CES 2020」のパナソニックブースにて,この製品を参考出展する。