NTTエレクトロニクス(NEL)は,ホワイトボックス型光伝送装置に大容量のコヒーレント光トランシーバーを柔軟に実装可能とする,装置組み込みソフトウェア(OS)「Goldstone」の構築プログラムをオープンソースとしてTelecom Infra Project(TIP)に提供する(ニュースリリース)。
「Goldstone」はOpen Compute Project(OCP)やTIPなどのオープンソースプロジェクトの成果を組み合わせた装置組み込みソフトウェア(ネットワークOS)で,このソフトウェアを含まないハードウェアのみのホワイトボックスにインストールすることで,大容量のコヒーレント光トランシーバーとの組み合わせによる光伝送システムを柔軟にインテグレーションすることが可能となる。
TIPが提唱している,ハードウェアとソフトウェアを分離することで,個別に最適な最新技術の適用や継続的な性能改善を迅速に行うことのできる環境が実現できるという。
「Goldstone」は,OCPで開発されたOpen Network Linux(ONL)をベースOSとすることで,多様なホワイトボックスプラットフォームのサポートを可能にした。その上でKubernetesによるコンテナベースのアプリケーションマネジメントを採用し,ソフトウェア構成の柔軟性を実現している。
EthernetスイッチASICの制御にはSONiC/SAI,コヒーレント光トランシーバーの制御にはNTTが開発をリードするTAIを利用する。Goldstoneのモジュール型アーキテクチャにより,将来的にはEthernetスイッチASICを含まない従来型トランスポンダやROADM,光ファイバアンプなどのラインシステムのOSとしての利用も可能だという。
「Goldstone」はEdgecore社のホワイトボックスプラットフォームCassini向けプロトタイプネットワークOSとして開発が開始された。現在では五つ以上の組織でCassiniの評価のために利用され,ミクシィは商用ネットワークで利用している。
またWistron社のプラットフォームGalileoにも対応しており,今後も対応プラットフォームの拡大を計画しているとしている。