ケイエルブイは,光とレーザーの科学技術フェア(11月12日~14日 科学技術館)において,量子カスケードレーザー(QCL)を用いた,小型・高精度のガス検出モジュール「MultiSense」を紹介している。
この製品はフランスの半導体材料メーカーであるIII-V labからスピンアウトした産業用QCLメーカー,mir senseの製品。筐体のサイズが12cm×10cm×6cmと超小型ながら,ppbレベルの検出感度とリアルタイムモニタリングを実現している。
一般的にレーザーガスセンシングにおいて高感度を求める場合,サンプルガス容器を長尺化して光路長を稼ぐ必要があるが,その分装置の大型化が避けられない。そこでこの製品は,レーザーがガス分子に当たった時に生じる熱膨張音を捉える光音響センサー方式により,超小型化と高精度化を両立した。
QCLの波長は4μm~10μm,検出ガスによって任意の波長を選択でき,1つのモジュールに最大4台のQCLを搭載し,4種のガスを検出できる。主な測定ガスは,NO,NO2,CO,CO2,NH3,SF6,H2S,SO2,H2Oなど。検出限界はガスにもよるが,ppm~ppbとなっている。
また,搭載するヒーターでガスのケース内温度を5~200℃に保ち,サンプルガスの結露を防ぎながらの検出が可能。USBまたはRS485によりPCとも容易に接続ができる。同社ではこの製品がプロセスガスのインラインモニタリングなど,生産ラインでの応用が見込まれるとしている。
なお,同社はこの製品について11月14日(木),会場内にて「量子カスケードレーザー(QCL)と光音響効果を利用したガス計測」と題した無料セミナーを行なう。参加申し込みは当日,会場にて受付ける。