セイコーエプソンは,4Dセンサーに出資し,高速3次元計測技術を活用した新たな価値創出を目的とした業務提携を結ぶことになったと発表した(ニュースリリース)。
4Dセンサーは,和歌山大学での研究成果を社会で生かすことを目的に,2012年に大学発ベンチャーとして設立された。独自の技術・手法を用いた高速・高精度な形状・変形・ひずみ計測法を実用化するとともに,動体の3Dスキャンを可能とするOPPA法の開発を進めている。
これらの技術は,プロジェクターやロボットを活用した生産ラインの高度化・効率化への展開が期待され,また,建物や橋などの大きな建造物のひずみをダイナミックに捉える機能と,極微細な動きをとらえるエプソン独自の水晶式センシング技術とを融合することで,安心・安全な社会の実現に向けた活用が見込まれるという。
エプソンは,長期ビジョン「Epson 25」において,ものづくり企業としての事業基盤強化を進め,資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成長加速を掲げている。高速3次元計測技術の開発・応用・実装は,それを実現する上で重要な役割を担う技術のひとつだとしている。
両社の有する独創の技術を融合させ,安心・安全という社会課題への取り組みや,製造プロセスの革新など,事業シナジーの発揮を目指すという。なお,今回の出資に伴う業績などへの影響は軽微だとしている。