NEDOら,防犯カメラで来店客の行動を分析

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と防犯ソフトウェアのアースアイズは,小売店舗の防犯カメラ録画映像から来店客や店員の行動,属性,商品などをAI技術で高速に検索・分析するサービスを開発した(ニュースリリース)。

現在,実店舗の状態分析は,運営管理者が録画映像を早送りしながら目視で行なっている。しかし目視による分析では多大な時間を要するほか,来店客数や,来店客数に占める特定売り場への立ち寄り人数(立ち寄り率)・立ち寄り時間といった,実店舗運営指標を定量的に把握することも困難だった。

両者は,AI技術を使って,防犯カメラ画像から,店内の人の移動と視線を把握する技術を開発しており,人工知能搭載カメラ(防犯、事故防止)の開発及び販売を行なうアースアイズが,この技術を活用した万引き対策システムを販売してきた。

今回,アースアイズは,この活用範囲を広げ,小売店舗の防犯カメラ録画映像から来店客や店員の行動,属性,商品などをAI技術で高速に検索・分析するサービスを開発した。

このサービスは,録画データをサーバに送り,サーバ上でAIが検索・分析する仕組み。店舗管理者は,サービス画面上で,特定商品の前といったエリアを指定し,商品棚を一定時間見た来店客の属性・人数・滞在時間といった項目を選ぶだけで,それらが数値化されたデータやヒートマップとして表示される。

また,録画映像のうち分析対象が写っていない時間帯だけを自動的に早送りして見ることもできる。また,既設の防犯カメラ映像を使えるため,センサーなど特別な機器の設置は不要という。

このサービスを活用することにより,実店舗の運営管理者は,例えば特定商品が置いてある棚の前で,実際に商品を一定時間見た来店客の数や属性,滞在時間を,センサーなど新たに設置することなく,既設の防犯カメラの録画映像から簡単に把握できる。

オンライン店舗ではすでに広く行なわれている顧客・購入履歴などの情報分析を,実店舗でも実現することで,店舗運営をオンライン店舗並みに効率化する「実店舗の次世代化」への貢献が期待できるという。

なお,アースアイズは,このサービスを「AI Search(AIサーチ)」の名称で2019年11月より提供開始するとしている。

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