ソニーは,産業機器向けに積層型CMOSイメージセンサー6タイプを商品化することを発表した(ニュースリリース)。
今年3月に技術開発を発表した,独自の裏面照射型画素構造のグローバルシャッター機能を搭載した積層型CMOSイメージセンサー技術「Pregius S(プレジウス エス)」を採用している。
これまで,多画素化のためにイメージセンサーの画素数を増やすと,チップサイズが大きくなり,カメラサイズも大きくなるという課題があった。一方,画素サイズを小さくすると,1画素あたりの集光面積が小さくなり,感度とともに飽和信号量も低くなるため,画質劣化による認識・検知性能の低下は避けられなかった。
この製品は,動体歪みのない撮像を可能にするグローバルシャッター機能を実現しつつ,裏面照射型の独自の画素構造を採用することで,感度や飽和信号量といった画素特性を維持しながら,画素面積を従来比約63%の2.74µm角に微細化。同一光学系でありながら多画素化を実現し,パッケージサイズ(面積)も従来比約91%に小型化した。これにより,より高い解像度で検査精度を向上させる小型のCマウントレンズ対応マシンビジョンカメラの実現が可能になるという。
さらに,裏面照射型画素構造が持つ配線レイアウトの高い自由度と,同社が開発した高速インターフェース規格SLVS-EC(Scalable Low Voltage Signaling with Embedded Clock)の採用により,読み出しフレームレートが従来比約2.4倍の高速化を実現し,測定や検査工程の時間短縮など,大幅な生産性向上に貢献するとしている。
製品の型名とサンプル価格(税抜き)は以下の通り。
・「IMX530」1.2型(対角19.3mm)有効約2455万画素…210,000円
・「IMX531」1.1型(対角17.5mm)有効約2035万画素…182,000円
・「IMX532」1.1型(対角16.8mm)有効約1619万画素…142,000円
・「IMX540」1.2型(対角19.3mm)有効約2455万画素…150,000円
・「IMX541」1.1型(対角17.5mm)有効約2035万画素…126,000円
・「IMX542」1.1型(対角16.8mm)有効約1619万画素…99,000円