OKIエンジニアリングは,長辺190mmまでの電子部品搭載基板の「非破壊異物解析サービス」を9月27日より提供開始する(製品ページ)。価格は5万円~/1件(税抜き)。
電子部品搭載基板の異物解析には対象物を加工する「破壊解析」と,対象物を加工しない「非破壊解析」があり,1次解析においてはその後にさらなる解析が行なえるよう,非破壊での解析が求められる。しかし,同社の既存装置では,大型の試料があつかえず,長辺100mmを超える基板についてはサイズを小さく加工し,白金を蒸着するなどの前処理が必要で,非破壊での解析ができなかった。
また,製品出荷時のRoHS対応検査では,均質材料ごとに対象物質の含有量を把握する必要があるため,電子部品搭載基板全体の評価を実施するには,RoHS指令の閾値を満たしているかを元素マッピング分析により短時間で解析し確認することが求められる。しかし既存の検出器は分析感度が十分ではなく,RoHS閾値レベルの元素マッピングが短時間に実施できないことが課題となっていた。
新たに導入したエネルギー分散型X線分析装置では,長辺190mmまでの電子部品搭載基板に付着した元素の非破壊異物解析に対応できるようになった。また,この装置によって元素マッピング分析評価解析を実施することで,電子部品搭載基板全体でのRoHS閾値を,従来の半分の時間で評価できるようになったという。
同社は,電子部品搭載基板における異物の状態,大きさなどに合わせた適切な分析手法での分析実施,異物の特定から,その物質の混入した経路や経緯の推定,不具合原因の解析までを,ワンストップで提供していくとしている。