福岡工業大学は,独居高齢者や介護施設の入居者の見守りに役立つ,人の呼吸推定を行なって体の異常を検知するロボットを開発した(ニュースリリース)。
高齢者の「孤立死」は増加の一途をたどり,高齢社会白書(令和元年版)では,全国の60歳以上のうち3人に1人が孤立死を身近に感じ,自らも孤立死に陥る可能性があると考えていることがわかっている。
また,介護分野での人手不足は今後ますます進み,各地の介護施設でも入所している高齢者の見守り態勢を維持できるかという課題が発生している。
研究グループはこれまでの研究で,倒れた人の呼吸をロボットがカメラだけで自動的に測定するシステムを制作している。今回開発した見守りロボットは,部屋の中で過ごしている人の異常を自動で検知し,バイタルの詳しい状況を確認して命を守るための通報などを行なうことを目指すもの。
このシステムは,Microsoft製のカメラ「Kinect」を用いて部屋の中で倒れた人に近寄り,胸の動きから呼吸状態を推定する。
研究グループは現在,部屋の天井に設置したカメラを用いて部屋の中で過ごす人の転倒などの異常を検知し,待機しているロボットがその場所に自動的に駆け寄るシステムも構築している。また今後,意識の有無や他の生体情報なども計測できるようシステムを改良するとしている。