大日本印刷株式会社(DNP)は,さまざまなパターンを遠方まで明瞭に表示できる小型の照明装置を開発した(ニュースリリース)。
不特定多数の利用者が集まる公共施設では地震や火災などの災害が発生した場合,利用者を適切に誘導するため,矢印など状況に応じたパターンを明瞭に表示する必要がある。また同様の表示を,工場内での注意の喚起,建築物へのライティングやデザイン照明等の用途でも行ないたいというニーズがある。
こうした需要に対して,同社は,表示する光の方向を制御する微細加工技術を活用して,高精細なパターンを表示する小型照明装置を開発した。
この製品は,1台で数メートル先から遠方までパターンを明瞭に表示でき,設計によって距離の調整が可能。また,低消費電力のため災害時も電池で稼働する。小型化により持ち運びや使用が容易で,さまざまな場所への設置もできるという。
この照明装置を利用することで,わかりやすく効果的な周囲への注意喚起や誘導が可能となり,従来は多人数で行なっていた避難誘導などの省人化も図ることができる。また,災害時の避難誘導や駐車場・工場での誘導のほか,トンネル内での警告表示,スタジアムや商業施設などでの道案内表示,デジタルサイネージの代替や建築物などへのプロジェクションマッピングにも利用できるという。
同社は,この装置を避難誘導用途や建築照明分野,屋内デザイン照明分野,インフラ分野,工場の自動化(FA)分野などに販売していくとしている。