京セラは,独自の技術「CERAPHIC」により,太陽光に近いスペクトルを再現することができるハンディタイプのLEDライト「LEDハンディライト」を開発した(ニュースリリース)。
昨今,地球温暖化防止や環境保護の観点から,ハンディライト(懐中電灯)は白熱電球からLED電球へ使用の切り替えが進んでいる。しかし,一般の白色LEDは演色性が低く,色の再現性が難しいため,色を正しく見極めることが求められる現場では扱いにくかった。
今回同社が開発した製品に使われているCERAPHICは,紫色LEDとRGB蛍光体により光を作り出す技術。この蛍光体の調合技術により,色や対象物を見極める環境に応じて光のスペクトルをカスタマイズできるため,目的に適した光を作ることができる。さらに蛍光体の調合技術によりスペクトルをカスタマイズし,色の分離が極めて少ない照明を提供できるという。
この製品は,開発の第1弾として日本食肉格付協会の肉質等級の判定に使用するハンディライトとして採用された。この調光技術により,冷蔵庫の中でも肉・脂肪の色沢が見やすいよう光のスペクトルを最適化した。さらに同社の光学技術を生かしたレンズ設計により,肉に光を当てた際,見たい部分をピンポイントでムラなく均質に照らすことができるという。
この製品は2019年7月より,富士平工業が一般に向け販売開始するとしている。