住友化学は,仏イゾルグと有機光ダイオード(OPD)を用いたスマートフォン用の指紋センサーおよび有機CMOSイメージセンサーの開発契約を締結した(ニュースリリース)。
今回の契約は,有機半導体材料を開発する同社と,OPD技術を用いたデバイスや大面積イメージセンサーを開発したイゾルグが,2013年にスタートさせた協力関係をより深化させることを目的とするもの。
同社は,指紋センサーや有機CMOSセンサー用のOPD材料を製造し,イゾルグに供給するとともに,イゾルグの生産技術とマーケティングについて支援する。イゾルグはパネルメーカーの協力を得て,これらセンサーの量産化を目指す。
両社が製造する指紋センサーは,軽量かつ薄膜で,塗布プロセスで製造できるため,大面積化が容易といった特長がある。大面積の指紋センサーをスマートフォンの画面全体に組み込むことで,画面上のどの場所でも複数の指紋を検出・認証することが可能となり,利便性とセキュリティの向上が期待できるという。
また,有機CMOSセンサーは,同社のOPD材料が通常の可視光だけではなく,高感度に近赤外線の検出も可能なため,近赤外線用の高性能なカメラにも応用できる。
イゾルグは,2010年に設立,広域光検出器やイメージセンサー用の有機・プリントエレクトロニクスを世界に先駆けて開発した企業。さまざまな形状や形状要素を認識する,高性能の次世代3次元イメージセンサーを提供する。バイオメトリクスなどの用途では,初の高解像度(500dpi)でフレキシブルな大型プラスチック指紋センサーを開発している。