【展示会二日目】
マイクロソフトなどの大手企業と協業するようなベンチャー企業を多く輩出しているイスラエルの企業の中で,最近注目度が上がっているMaradinのCEO(ファウンダー)Matan Naftali氏とのインタビューをLaser World of Photonicsの会場で行なった。
同社はレーザーと半導体ベースのMEMSを使ったレーザースキャンニングシステムのトータルソルーションを提供している。Matan氏には同社の製品の紹介および日本市場に対する考え,イスラエルのベンチャーが育つ土壌などについて話を聞いた。詳報は月刊OPTRONICSに後日掲載の予定。
また,Laser World of Photonicsに出展した日本企業ブースを訪問し,出展製品を中心に行なったリポートを掲載する。こちらも詳報は月刊OPTRONICSに譲る。
日本企業と出展製品
HOYA
比較的小さなブースながら,ホール入り口から端を回るとすぐにたどり着く好位置にブースを構えている。光学フィルターや,カメラなどに使われるガラス材の展示をしていた。
ガラスの材料から板状の母材にし,その後,研磨やコーティングをして顧客に納めるが,現在では研磨等は中国のメーカーが行なう事が多くなっているという。
同様のコメントは他の光学部品メーカーからも繰り返し聞く事が多く,研磨やコーティングに関しては中国メーカーの台頭が著しい現実が伺えた。主にカメラ向け製品として透明度を上げたガラスもディスプレイしており,高付加価値品を欧州市場にプロモーションする事も出展の動機の一つと思われる。
オカモトオプティクス
大面積のグレーティングに強みを持つPlymouth Grating Laboratory(PGL)との共同出展を行なっている。PGLは大阪大学の高出力レーザーのCPAに使われているグレーティングを共同開発をしていた経験を持っている。
同社は今回,欧州での同様なプロジェクトや新しいアプリケーションへの探索の為に今回出展を行なっている。ニッチではあるが,日本のメーカーが持つ特徴ある技術が欧州でも活躍する事が期待される。
住田光学
同社は欧州のメディカル機器市場の成長を見込んで,2004年にドイツに販売拠点を立ち上げている。今回の出展は欧州がリードしている内視鏡メーカーへの販売プロモーションが目的だという。
展示していたのは,内視鏡向けのファイバー製品で,例えば,中心部の画像取得用ファイバーの周囲にリング状の照明用のバンドルファイバーが取り巻いた照明用ファイバー製品の展示などがあった。今回は約10年ぶりの出展となる。
オハラ
製品紹介の造作は殆ど無くスナックや飲み物を出しながら,商談や情報交換ができるエリアを提供するヨーロッパスタイルのブースでの出展をしている。
同社は一般の光製品と,望遠鏡向け等の特殊製品の双方をヨーロッパで拡販している。ヨーロッパの大型プロジェクトでは地場のメーカーが政治的に強い立場となっており,参入に時間がかかっているとのこと。
加工用途に使われるYAGレーザー内の石英光学部品は,加工用レーザーのメッカであるドイツでの拡販が今回の出展の目的の一つとなっている。ここでも中国の台頭は著しく,研磨などは中国メーカーが行なう事が多くなってきているとのことであった。
金門光波
同社は複数の日本企業が集まるジャパンパビリオンでの出展を行なっている。新たに開発したUV-ファイバーレーザーを展示。波長636nmを波長変換によって318nmを実現し,加工応用を想定しているという。※6月27日:表記を一部修正しました