独ヘレウスは,分光分析機器用に広波長領域UVスペクトルを発光するUV-LED光源「FiberLight®L3」の販売を開始した(ニュースリリース)。
水質や土壌などの環境モニタリングでは,現場でサンプルを採取したのち検査室に持ち帰り,分析するという流れが一般的だが,この方法では分析までに時間を要し,かつ試料の取扱い,特に保管や輸送上の注意が必要になり,精密な分析には多くの技術的な課題があった。
この製品は,LEDの利点である長寿命や低消費電力などの特長と,広波長領域UV発光スペクトルを併せ持つ光源モジュール。採取された物質を識別する定性的分析と,これら物質の定量的分析の両方を1台の分析機器で実現するという。
通常,UV-LEDの発光スペクトルは単一波長で,広波長領域の発光スペクトルを実現するために,複数のUV-LEDチップアレイを用いた開発が試されてきた。しかし,複数のLEDチップの使用によるコストの増加,複雑な光学設計,LEDチップ間の発光のばらつき,加えて品質と寿命のばらつきによる光安定性の低下などが課題となっていた。
この製品は,これらの課題を解決するために,1つの光源モジュールで,単一波長のUV-LEDチップと蛍光体を掛け合わせて,250nmから490nmという広波長領域のUV発光スペクトルを実現している。これにより,長期にわたり安定した分析データの測定が可能だという。
寿命は5,000時間以上,消費電力は1.5W未満。60×63×48mmのコンパクトなサイズ設計に加え,電源を入れるだけですぐに使えるプラグアンドプレイというコンセプトを採用しているため,分析機器に搭載後すぐに使用できる。予め光ファイバカップリングを組み込んでおり,パルスモードまたは連続モードの選択ができる。