東芝デバイス&ストレージは,OA機器や産業機器向けに,縮小光学系CCDリニアイメージセンサーの新製品「TCD2569BFG」を製品化し,量産出荷を開始した(ニュースリリース)。この新製品は,5340画素×3ラインのカラーイメージセンサーで,A4サイズの原稿を24本/mmの密度で読み取ることができる。
近年,A4複合機市場においては,A3機並みの高画質や高速化の要望がある。さらに,紙以外の物,光の反射率が非常に高い立体物や光沢のある物を読み取りたい等のニーズもある。
しかし,従来の縮小光学系CCDリニアイメージセンサーでは,高反射部分からブルーミング(画素の一部に強い光が当たった時,その部分が電気的に飽和し画像が白く抜ける現象)が発生して,色付いた尾引きが生じた画像になってしまうことがある。また,この部分の信号出力電圧値は,後段デバイスであるアナログ・フロント・エンド(AFE)の最大入力信号レベルを超えてしまうといった問題があった。
今回の製品は,Red,Green,Blueの各画素列間隔を縮小したこと(2ライン間隔,10.5μm)により,画像の色ズレ抑制効果による高画質化が期待できる。また,サンプル・ホールド回路搭載により,信号出力期間が拡大されるため,高速化が容易になるという。
また,CCDシフトレジスターの飽和出力電圧4.0Vを実現し,ブルーミングを低減した。さらに,出力電圧クリップ機能を搭載し信号出力電圧を1.8V以下に抑制したことで,AFEの最大入力信号レベルを大幅に超えることを防ぐことができるとしている。