明電舎は,2019年4月に最大積載重量250kgのSLAM(スラム)誘導形無人搬送車2台を自動車部品メーカーに初納入した(ニュースリリース)。
近年日本では,人口減少や少子高齢化,働き方改革への意識の高まりを背景に,生産現場では人手不足が大きな課題となっている。そのため生産効率向上の一助として,工場内物流の無人化需要が拡大している。
今回納入したSLAM誘導形無人搬送車は,複数の誘導センサーを備えるマルチセンシング機能を持っており,SLAM誘導,磁気誘導,レーザー誘導での走行が可能。
この機能により,走行場所,状況に合わせて誘導方法を切り替え,ガイドレスで精度の高い安定した無人搬送を行なうことができる。無人搬送車の停止精度は,コンベア等への荷物の受け渡しなどが発生する生産現場において,特に必要とされる機能になる。
同社はこれまで,積載重量6tの大型無人搬送車をSLMA誘導に対応させてきたが,小物搬送のニーズを受け,最大積載重量250kgでその場旋回(スピンターン),全方位走行,複雑なルート・狭い通路でも運用が可能な無人搬送車の開発を完了したという。
小型SLAM誘導形無人搬送車は,マルチセンシング機能を搭載した無人搬送車を2018年10月から明電舎沼津事業所内の電子機器製造工場に試験導入し,実証試験を行ない製品化している。同社は無人搬送車の導入により,自動車部品製造工程の省人・省力化を図るとしている。