キヤノンは,ハイダイナミックレンジ(HDR)での撮影を実現し,1/2.32型で有効画素数約280万画素のCMOSセンサー「3U3MRXSAAC」を開発した(ニュースリリース)。
近年,監視カメラの需要拡大に伴い,ビルの出入り口など明暗差の大きい状況においても高画質な画像を撮像できるイメージセンサーのニーズが高まっている。同社が新たに開発したこのセンサーは,低ノイズを達成しながら,120dBの広いダイナミックレンジを実現するHDR駆動機能を搭載。通常駆動時でも,75dBを実現している。
このセンサーは1/2.32型(対角7.75mm),有効画素数約280万画素(1936×1456),画素サイズは一辺3.2μmで,フレームレートは60fps(HDR駆動時は30fps)を達成している。また,さまざまな用途のコンシューマー向けカメラにも使用されている「MIPI CSI-2」インターフェースに対応予定。
さらに,このセンサーは,-40℃から105℃までの広い温度範囲で動作するため,過酷な温度環境で使用することが可能。また,高温環境では暗電流ノイズの増加により黒レベルが上昇し,映像の中の暗い部分が白くなることが懸念されるが,リアルタイムに黒レベルを補正する機能を搭載することで,高画質を実現する。
なお,このセンサーは2019年5月下旬よりサンプル出荷を開始するとしている。