東大,AUV等で海底3次元画像を短期間で取得

東京大学は,コバルトリッチクラスト(クラスト:鉄とマンガンの酸化物からなる海水起源の化学堆積岩)が分布する,南鳥島南西の拓洋第5海山において,1km2におよぶ面積の海底面の3次元画像を,航行型とホバリング型の2種類のAUV(自律型海中ロボット)およびROV(遠隔操作無人探査機)を用いて,短期間のうちに効率的に取得した(ニュースリリース)。

今回,航行型AUV「AE2000f」に搭載した3次元画像マッピング装置,ホバリング型AUV「BOSS-A」およびクラスト厚み計測装置は,これまでも拓洋第5海山で調査を実施してきた。今回の調査で初めて大規模に実施し,非常に多くの3次元画像データとクラスト厚みの連続データを取得することができたという。

この3次元画像マッピング装置は,海底の3次元画像マッピングを行なう計測装置。カメラ,シート状のレーザーおよびフラッシュの組み合わせにより構成され,AUVやROVに搭載して,ロボット側のナビゲーションセンサー情報により制御を行ない,1.5~10m程度の高度から海底面の高精度の3次元画像マップを作成することが可能。ロボットにナビゲーションセンサーが搭載されていいない場合には,別途つなげることができる。

今回,「AE2000f」とROVを用いて,海底面の連続的な高高度3次元画像マッピングを行ない,海底面の形状,底質,クラスト被覆状態,棲息生物などの情報を含むデータを,距離にして約79km,面積にして1km2分取得した。

一部の領域では,クラスト賦存量調査を目的に開発された「BOSS-A」を用いて,海底面の連続的な低高度3次元画像マッピングおよびクラスト音響厚み計測を同時に行ない,距離にして18.3km,面積約0.03km2分のデータを取得した。

さらに,「BOSS-A」取得データの解析から,厚いクラストが連続的に分布すると推定された領域では,高高度3次元画像マッピングを実施し,広域かつ詳細なマルチレゾリューショナルなデータを取得した。

研究グループは,今回,面積にして1km2におよぶ,世界初の大規模な海底調査を達成したことで,クラストの被覆状況を効率的に調査できる手法を実現したといえる。また,得られたデータは,拓洋第5海山のクラスト賦存量を正確に推定するための基礎データになることが期待できるとしている。

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