日本電気(NEC)と豊田通商は,ウズベキスタン国営の通信事業者ウズベクテレコムから,同国の通信環境を大幅に改善する基幹通信システムの構築プロジェクトを受注した(ニュースリリース)。
ウズベキスタンでは日本政府の円借款により,20年以上前から国内全土に光通信システムが整備され,光ファイバーが敷設されている。携帯電話でも各事業者からLTEサービスが提供されるなど利用が拡大し,高速・大容量化が求められている。このような背景のもとウズベキスタン政府は,国家情報通信開発総合計画を発表し,基幹通信システムの更新による高速・高品質化を決定した。
今回,両社はウズベクテレコムから,波長の異なる複数の信号を多重化し,光ファイバーで伝送する技術を有した光通信機器,光通信のバックアップ用途であるマイクロ波無線通信機器,既存のアナログ通信をIP通信に変換する機器などの導入プロジェクトを受注した。
これら先進技術を搭載した機器を導入することで,既設の光ファイバーを利用し投資コストを抑えながら,幹線網では現行比20倍以上の通信速度を実現する。これによりウズベキスタンの国家経済を引率する通信インフラとして,利用が拡大している携帯電話やインターネットによる通信需要に対応し,この通信インフラを基盤として幅広い分野でのICT導入や電子政府インフラ構築の推進に貢献するという。
このプロジェクトにおいて豊田通商は,契約の主体者として全体のとりまとめを行ない,プロジェクトの進行を図る。またNECは,光波長多重通信機器およびマイクロ波無線通信機器の提供と,ウズベクテレコムの運用担当者への教育などを行ない,国家の基盤となる通信インフラの運用に寄与するとしている。このシステムは2019年中に納入され,稼働を開始する予定。