独Baslerは,同社初となる医療・ライフサイエンス用途向けカメラシリーズ「MED ace」の量産を開始した(製品ページ)。
この製品は,CMOSセンサーが全モデルに採用されており,生産が終了したソニー製CCDセンサーを搭載したカメラを含め,従来のCCDカメラからの移行にも最適という。
センサーについては,ソニー製「Pregiusシリーズセンサー」またはオン・セミコンダクター製「PYTHONセンサー」を選択することが可能で,最大フレームレート164fps,最高解像度20MPに対応しているだけでなく,最大ピクセルサイズ5.86μm,最小テンポラルダークノイズ2e-,最大センサーサイズ1.1インチという性能を実現している。
また,今回のカメラシリーズでは製造,市場投入から販売,関連サービスの提供に至るまでの工程において,DIN EN ISO 13485:2016に準拠した品質基準が新たに導入されており,厳しい検査・監視下における信頼性の高い製品の生産,トレーサビリティの確保,全面的な変更管理により,監査や製品関連文書の作成,EN規格への準拠にかかる労力が削減されるなど,国際的な医療機器メーカーにとってさまざまなメリットが期待できるという。
このほか,同社がハードウェア,ファームウェア,ソフトウェアを組み合わせて独自に開発したMED機能セットが付属していることもこの製品の大きな特長で,「規格準拠」「高画質イメージング」「パーフェクトカラー」「低照度イメージング」「ハイスピード」「産業用イメージング」の6種類が用意されている。
この機能セットは,医療・ライフサイエンス業界の厳しい撮影要件を満たし,開発にかかる顧客の労力を軽減するために設計されたもので,眼科や顕微鏡観察で重視される画像の色合いを細かく調整することが可能な6軸オペレーターやカラーキャリブレーターのほか,モノクロカメラとカラーカメラの両方に対応した自動画像補正機能PGIも搭載し,素早く簡単に優れた画質の画像を撮影できるとしている。