大阪工大,光を当てると発熱する塗料を開発

大阪工業大学は,太陽電池やトランジスタなどの材料として広く使われている導電性高分子であるポリ3-ヘキシルオフェン(P3HT)が光を熱に変換する新たな能力を持つことを発見した(ニュースリリース)。

従来,光を熱に変える材料として,カーボンブラックや金ナノ粒子などが知られているが,さまざまな基材に塗布できて自由に成型することができるものは存在しなかった。

今回研究グループは,P3HTに塩素イオンをドープすると, P3HTが800nm付近の波長の光を吸収し熱に変換することを発見。太陽光を熱に変換することもわかったという。

研究グループは,P3HTが有機溶剤に溶けることから塗料としての利用が可能であり,さまざまな形状の基材に塗布が可能で,宇宙空間(宇宙ステーションやスペースシャトル内など)での熱利用や,熱によってがん細胞を死滅させる温熱療法(ハイパーサーミア)など,真空空間や微細空間での局所加熱への応用が期待できるとしている。

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