島津,粒子画像解析システム市場に参入

島津製作所は,液体試料に含まれる粒子の画像を撮影し,粒子のサイズ・形状・個数濃度を自動で測定するダイナミック粒子画像解析システム「iSpect DIA-10」を2月25日に国内で発売し,粒子画像解析装置市場に参入する(ニュースリリース)。価格は720万円(ソフトウェア込み,税別)。

新たにラインナップに加えたこの製品は,流路を流れた粒子を含む液体試料の画像を高倍率に撮影して画像解析することで,個々の粒子のサイズや形状,個数濃度を最短2分で測定できる。

近年,研究開発や品質管理の高度化にともない,粒子形状計測や異物検出に対するニーズが高まっている。こうした需要を取り込むため,同社は,粉体測定技術と画像解析技術を応用して開発したこのシステムを市場に投入する。

このシステムは,塗料や医薬品の研究開発および品質管理のような従来の用途に加え,リチウムイオン電池やセルロースナノファイバー,3Dプリンター用金属粉末の研究開発といった新しい用途にも展開し,粒子画像解析装置市場におけるシェアの獲得を目指すとしている。

この製品の特長は以下の通り。
(1)少量のサンプルも測定可能
サンプルを最少50µLから測定可能なことから,希少・高価なサンプルの使用を最小限に留めて測定にかかるコストを低減する。有機溶剤も使用可能でありながら洗浄に必要な液量が少なく,廃液量を抑えて環境負荷低減に貢献する。

(2)信頼性の高い粒子検出
カメラの視野外を通過する粒子を最小限に抑える流路設計により,粒子の見逃しが少なく信頼性の高い検出が可能。サンプルに少数含まれる異物や粗大粒子を高感度に検出するとともに,再現性の高い個数濃度測定を実現した。

(3)オートフォーカス機構を搭載
約15秒でカメラのピント合わせが完了するオートフォーカス機構を搭載。従来の手動によるピント合わせと比較して作業時間を短縮すると同時に,データに影響を与える手作業によるピントのばらつきを排除することで,生産性向上に寄与する。

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