東北大学と北海道大学らの研究チームによって研究開発された国際理学観測衛星ライズサット(RISESAT)が,1月18日午前9:50に宇宙航空研究開発機構(JAXA)内之浦宇宙空間観測所からJAXA革新的衛星技術実証1号機(イプシロンロケット4号機)で打ち上げられた(ニュースリリース)。
ライズサット衛星は,東北大学がバスシステムの研究開発,衛星システムインテグレーション,地上評価,運用を担当し,北海道大学が主要搭載観測装置である,高解像度マルチスペクトル望遠鏡の研究開発に加え,理学ミッションの取りまとめを担当するという。
理学観測としては,高分解能マルチスペクトル望遠鏡による高解像度マルチスペクトル観測,DOTCam(Dual-band Optical Transient Camera)による大気光及び雷観測,海洋観測カメラOOC(Ocean Observation Camera)による海洋観測,宇宙放射線ディテクターTIMEPIXによる軌道上放射線環境計測がある。
また,理学観測機器の他にも工学ミッション機器が搭載されており,超小型光送信器(VSOTA:Very Small Optical TrAnsmitter)による衛星-地上間光通信,小型モニタカメラによる全天観測,膜展開式軌道離脱装置DOM®による軌道変更,ストア・アンド・フォアワード装置によるデータ中継技術などの実証に取り組む予定。
打ち上げ同日夜の初回パスにおいて衛星との通信に成功し,衛星の正常動作を確認したライズサット衛星は,今後,衛星の姿勢制御系の初期設定と機能評価を行ない,準備が整い次第順次ミッションを実施していく予定。超小型人工衛星を用いた地球周回軌道における理学観測技術の構築を目指していくとしている。