東洋紡の子会社で,高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス®」を生産・販売する「ゼノマックスジャパン」の本社工場が2018年10月に完成し,12月17日に竣工式を開催した(ニュースリリース)。
ゼノマックスジャパンは,東洋紡が長瀬産業との合弁により,2018年4月に設立した。「ゼノマックス®」は,これまでコーポレート研究所内の生産設備で製造してきたが,ゼノマックスジャパンの設立に伴い,生産設備を新設し,同年10月より操業を開始した。
今後,ゼノマックスジャパンは電子ペーパーディスプレー向けTFT基板材の需要増に対応するとともに,「薄い」「軽い」「割れない」「曲がる」といったフィルムの特性を生かし,フレキシブルな有機ELディスプレーや各種センサー,さらにはマイクロLEDといった次世代ディスプレー用途での展開を図る。
ゼノマックスジャパン本社工場は,延床面積が約4,300m2,鉄骨構造,2階建(一部5階建),投資額は約30億円。
「ゼノマックス®」は,室温から500℃まで熱膨張係数が約3ppm/℃と一定で,ポリマーフィルムとして世界最高レベルの寸法安定性を持つ高耐熱性ポリイミドフィルム。従来のポリイミドフィルムでは不可能だったガラス基板と同等の高い寸法安定性を実現した。400~500℃の高温下で加工が必要なTFTの回路基板向けに使用することができる。