堀場,小型・軽量の蛍光吸光分光装置を発売

堀場製作所は,非破壊・非接触で,分析対象の物質の量や性質を解析する,蛍光吸光分光装置「DUETTA」を9月上旬から国内向けに販売を開始する(ニュースリリース)。

この製品は,ハイエンドな分光装置の技術に,使いやすさを付加した蛍光分光光度計。蛍光分光光度計は,ライフサイエンス,エレクトロニクス,化学,農学や環境など,さまざまな分野で使用されており,たとえば,蛍光プローブを使用した生体組織やタンパク質の経時変化測定に代表されるような,リアルタイム観測への要求が高まっている。

また,例として蛍光分光光度計で濃度の高い試料を分析する場合は,吸光光度計で測定した吸光度も使用し,データを補正する必要があり,最適なデータを得るまでに時間がかかることが課題だった。これらの背景から,吸光光度計の機能と蛍光分光光度計を一体化することで,データを自動補正し,効率的な分析・計測ができるようにした。

これにより,使用用途が広がるだけでなく,内部遮蔽効果による影響を補正した正確な蛍光スペクトルが取得でき,物質を分析することができる。また,CCD検出器を搭載することにより,広い波長範囲を高速測定することができるようになった。

サイズも,蛍光分光光度計の業界他社製品と比べて装置設置面積2/3,重さ1/2と大幅な小型・軽量化を実現した(設置寸法(本体)43.18×51.816×36.576cm,重さ(本体)20.4kg)。

さらに,蛍光分光光度計は,装置内部のわずかなズレが測定結果に影響を与えることがあるため,メンテナンスに専門のスタッフが必要だったが,消耗品のランプはカートリッジタイプにするなど,メンテナンス性にも優れ,ユーザー自身で簡単に交換できるという。また,業界では初めてのタッチスクリーンにも対応したシンプルなソフトウェアによって簡単に測定操作を行なうことができる。

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