JOLED/パナ/SCREEN,印刷方式OLEDで提携

JOLEDおよび,生産設備の開発設計を行なうパナソニック プロダクションエンジニアリング,ディスプレー製造関連装置のSCREENファインテックソリューションズの3社は,主にテレビ向けを想定した,印刷方式による大型有機ELディスプレー製造のための印刷設備の開発・製造・販売・サービスに関する,業務提携契約を締結した(ニュースリリース)。

JOLEDは,大型テレビ向け有機ELディスプレー製造を目指すメーカー等に向けて,印刷方式の製造技術を提供する「技術ライセンス」を推進していく。そのなかで,顧客向けの印刷設備の開発・製造・販売・サービスにおいて,3社は共同でビジネスを展開していく。3社は,効率的な生産を可能とする印刷方式を広く普及させるとともに,拡大を続ける有機ELテレビ市場の成長を取り込んで自社の成長と事業の拡大につなげるべく,早期の事業化を目指す。

有機ELディスプレーは,高コントラストでソースに忠実な色再現性や高速応答性など,自発光型ならではの高い画質特性を有し,さらに,薄型・軽量で低消費電力を両立するなどの長所を併せ持つことから,近年,大型テレビやスマートフォンでの採用が広がりつつある。プラスチック基板を利用したフレキシブル化や更なる薄型・軽量化で,車載向けなどの新たな用途も期待されている。

有機ELディスプレーの製造方法のひとつである「印刷方式」は,有機EL材料を印刷により塗布・形成する技術で,既存の「蒸着方式」に比べて生産工程がシンプルであることから,特に大型ディスプレーの製造において,材料利用効率や設備投資の面で大きなメリットがあると期待されている。

2006年頃より,パナソニックが「印刷方式」有機ELディスプレーの開発を進め,2015年のJOLED設立以降は,JOLEDとパナソニック プロダクションエンジニアリングが共同で印刷設備の開発を続けるとともに,JOLEDがプロセス等を含めて量産技術を確立。現在,パイロットラインで製造する21.6型4K有機ELディスプレーを,医療用モニターやハイエンドモニター向けに出荷している。

今回,「技術ライセンス」を展開するにあたり,JOLEDは印刷方式有機ELディスプレー製造技術の提供や,技術導入のサポートなどを行なう。パナソニック プロダクションエンジニアリングは,パナソニックグループでの生産設備の設計・開発や立上支援の経験と,JOLEDとの印刷設備の共同開発経験を生かし,顧客ニーズに合わせた印刷設備の設計・開発を担う。

SCREENファインテックソリューションズは,ディスプレー製造工程で使われる各種装置及びそれらに対するサービスを国内外で提供している経験とネットワークを生かし,パナソニック プロダクションエンジニアリングからのライセンスのもと,印刷設備の製造を行なうほか,販売・メンテナンスなどのサービスをJOLEDと共に展開していくとしている。

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