島津製作所は,同社が1918年から1936年頃まで製造していた汎用医療用X線装置「ダイアナ号」が,国立科学博物館が選定する2018年度の「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に登録されたと発表した(ニュースリリース)。
この登録は,国立科学博物館によって2008年度から実施されているもので,「科学技術の発達史上重要な成果を示し,次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」および「国民生活,経済,社会,文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存を図るとともに,科学技術を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的とするもの。
同社は,レントゲン博士がX線を発見した翌年の1896年にX線写真の撮影に成功しており,1909年には国産初の医療用X線装置を開発している。「ダイアナ号」は,透視や撮影など多様な目的に対応できる装置として当時の市場に受け入れられ,”レントゲンの島津”としての地位を確立することに貢献したとしている。同社は「ダイアナ号」を,「島津製作所 創業記念資料館」において,当時の医療現場で使用された形態に近い状態で展示している。