気候変動観測衛星「しきさい」,日本の酷暑を観測

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,気候変動観測衛星「しきさい」の観測による日本の酷暑の様子を更新した(ニュースリリース)。

写真は,2018年8月1日の10:40頃に観測された熱赤外バンド(波長10.8µm,12.0µm)から推定した地表面温度。図の白色の領域は雲域を示している。「しきさい」の観測時刻(10:40頃)は昼前にも関わらず,すでに地表面の温度がかなり上昇していることがわかる。

地表面温度の分布を植生分布と比較することで,東京や名古屋,京都大阪などの大都市では日中は非常に温度が高くなっているのに対し,森林域では日中も比較的温度が高くなっていないことが分かった。一方で,この日は特に大都市域で地表面温度が50度以上と非常に高温となった。

可視光の波長帯では太陽光の反射がほとんどのため昼間の観測しか行なえないが,熱赤外の波長帯は地球からの輻射(熱放出)を見ているため夜間でも観測を行なうことができる。また,これまでの地球観測衛星の熱赤外観測に比べ,250mというより高い空間分解能で高頻度の観測を行なえることも「しきさい」の大きな特徴の一つだとしている。

「しきさい」は平成29年12月23日に打上げられた気候変動観測衛星。搭載される多波長光学放射計(SGLI)は近紫外から熱赤外域(380nm~12μm)の複数の波長域での観測を行なう光学センサー。赤色と近赤外の波長では,衛星進行方向の前方あるいは後方の偏光観測を行なう機能も持っている。

キーワード:

関連記事

  • 核融合・光電融合・量子・宇宙、次世代成長市場の技術が集結 Photonics Innovation 2026開催

    次世代エネルギーとして期待される核融合、AIインフラの進化を支える光電融合、実用化に向けた開発が進む量子コンピューター、そして民間企業の参入が相次ぐ宇宙ビジネス。いずれも将来の成長市場として投資家の関心を集める分野であり…

    2026.10.28
  • カバーガラスブランドStarveil™の新製品「BDX-3」

    日本電気硝子、宇宙用超薄板カバーガラス「BDX-3」を開発 波長300nmの透過率を0.1%に減

    日本電気硝子は、宇宙用超薄板カバーガラス「Starveil(スターベイル)」の新製品「BDX-3」を開発し、有償サンプルの販売を開始した(ニュースリリース)。放射線による着色を抑えるとともに、従来品「BDX-2」と比較し…

    2026.10.23
  • 防衛分野で求められる光技術とは 採択研究から見えるフォトニクスの方向性

    【解説】防衛分野で求められる光技術とは 採択研究から見えるフォトニクスの方向性

    防衛・安全保障分野において、フォトニクス技術には何が求められているのか。防衛装備庁が公表した2026年度「安全保障技術研究推進制度」の新規採択課題から、その一端が見えてくる。 今回、560件の応募から47件が採択された。…

    2026.10.23
  • ノーベル賞2026を光技術と材料から振り返る 光遺伝学、IceCube、分子の「右と左」

    2026年のノーベル賞は、生理学・医学賞、物理学賞、化学賞の自然科学3賞が出そろった。研究対象は脳、宇宙、化学反応とそれぞれ異なるものだったが、光技術という側面から眺めると興味深い共通点が見えてくる。光は、生命現象を操作…

    2026.10.07
  • 島津製作所、JAXA基金で量子スピン磁力計の開発に参画

    島津製作所は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業に採択された研究開発拠点「宇宙転用・新産業シーズ創出拠点“SX-CRANE”」に、代表機関である東京科学大の連携機関として参画する(ニュースリリース)。 S…

    2026.07.22

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア