ソニーは,業界最多となる有効4800万画素のスマートフォン向け積層型CMOSイメージセンサー「IMX586」を商品化する(ニュースリリース)。サンプル出荷は2018年9月。サンプル価格は3,000円。
この製品は,隣接4画素が同色のカラーフィルターであるQuad Bayer配列を採用することにより,高感度撮影も可能。低照度時には,隣接する4画素の信号を加算することで,画素サイズ1.6μm相当(1200万画素)に感度を高め,低ノイズで明るい画像の撮影が可能となる。
これらに加えて,同社独自の露光制御技術と信号処理機能をイメージセンサーに内蔵することにより,従来と比較して4倍となるダイナミックレンジの広い撮影,及びリアルタイムでの出力を実現する。画面内に明るいところと暗いところが共存するシーンでも白飛びや黒潰れを抑えた画像を撮影することができる。
一般的に画素の微細化を進めると,1画素あたりの集光効率が悪くなり,感度が低下するとともに,飽和信号量も低下する。この製品では,集光効率,及び光電変換効率を従来よりも高める設計・製造技術を駆使することにより,感度と飽和信号量の高い世界最小30.8μmの微細画素の開発に初めて成功した。
さらに,この新開発の画素を採用することで,対角8.0mmという多くのスマートフォンに搭載可能なサイズでありながら,有効4800万画素を実現した。多画素であるため,デジタルズームを採用するスマートフォンでも,高精細な撮影を可能とするという。