名大,光と背景色で可逆に変色する顔料を開発

名古屋大学の研究グループは,アマガエルなどの環境に応じて様々な退色変化を示す物の組織を参考にして,背景色や光の照射によって様々な色変化を来す顔料を開発した(ニュースリリース)。

一般的に,色を再現するには加法混色と減法混色がある。加法は,黒の背景色から始して,赤,緑,青の光を加えていく。これら3つの全ての色が組み合わさると白色となる。構造発色性材料も,この方法によって様々な色を作ることができる。よって,構造色は,背景の色が黒の場合に鮮やかな色を示す。

一方,減法混色は,背景として白い色から開始し,そこへ,シアン,マゼンダ,イエローの色素を組み合わせることで色を作成し,3つ全てを混ぜれば黒色になる。3色の色素によって様々な色が作り出されることから,減法混色は“色の三原色”と呼ばれ,色素色は,背景の色が白の場合ほど鮮やかな色となる。

生物は,これらの両方の発色メカニズムと背景の色を効果的に組み合わせることで,様々な体色変化を示す。例えば,虹色素胞は,その背景にある黒色素胞中のメラニン顆粒が細胞全体に広がった状態となり,黒い色を示す場合に鮮やかな色を示すが,黄色素胞は,背景にある黒色素胞中のメラニン顆粒が集合して,細胞が透明になり,裏からの光の反射が大きくなったときに鮮やかな色を示す。

研究では,刺激応答性色素,構造発色性色材,白および黒の背景のを組み合わせることで,状況に応じた発色変化を可逆に示すシステムを構築した。刺激応答性色素には,フォトクロミック色素であるジアリールテン誘導体を用いた。ジアリールエテン誘導体には,可視光の照射で白色,紫外光の照射でカラフルな色になる誘導体を使用した。この色素を複数組み合わせれば,光の照射に応じて,白と黒の変化も示すようになる。

構造発色性色材には,球状のコロイド結晶を利用した。粒径の揃ったサミクロンサイズのシリカ微粒子のみからなる球状のコロイド結晶は白い粉の状態だが,カーンブラックのような黒色物質を球状コロイド結晶内にわずかな量だけ導入すると,鮮やかな色を示すようになる。

また,用いたシリカ微粒子のサイズによって,その色調を様々に変えることができる。さらに,球状のコロイド結晶の背景を黒色と白色の2色で変えることで,球状コロイド結晶内の黒色物質の有無によって,色の見え方を大きく変えることもできる。

研究では,このような生物と同様の方法によって,色素色,構造色,背景色を融合し,様々な色変化を示す新しい顔料を開発した。生物の体色変化を凌駕するような人工の変色性色材が得られれば,我々の生活にたなテクノロジーをもたらすとしている。

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